| こわい夢 投稿者さめじまくんさん
 2002年09月04日 03:02:00
 
 | お多福コガネ 
 子供の頃、繰り返し何度も見た怖い夢。
 暗く澱んだ小さな流れがありました。
 流れのほとりには、しろイチジクの木があります。
 しろイチジクは甘くておいしい、でも数が少ないです。
 少し離れた処には、あかイチジクがありました。
 あかイチジクはさっぱりした味で、いっぱい実が生ります。
 ずっと遠くまでイチジクの木が生えてます。
 あかイチジクはピンポン玉ぐらいの丸いツルツルの実です。
 手に取ろうとすると、中から大きな黒いコガネムシが出てきました。
 カブトムシの雌ぐらい大きいです。
 いっぱい実ったあかイチジクから一匹づつ黒いコガネムシが出てきました。
 コガネムシは黒い前バネを広げ飛びました。
 みんな一斉に飛びました。
 沸き上がった、黒い靄のような黒いコガネムシの大群です。
 羽を広げたその背中にはお多福の顔がありました。
 お多福の顔をボクに向けてふわふわ飛んでくるのです。
 いっぱいいっぱい。
 ボクはお多福の顔を持つ黒いコガネムシに飛びつかれ逃げます。
 でも、大群のお多福の顔はまとわりついて離れないのです。
 ふわふわと笑い声さえ聞こえそうなあの笑顔。
 ボクはお多福がきらいです。
 
 
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