| こわい夢 投稿者栗峰さん
 2003年04月07日 11:36:00
 
 | カプセル 
 これから、どこかに逃げなければならない。
 それも、集団で。
 見わたせば初対面の人ばかりだった。
 男も女も大人も子供もいる。不思議なことに老人がいなかった。
 そして私達は、廃墟になったボロボロの大工場のような、コンクリート臭いビルの中にいた。
 
 逃げる際に、しなければならない儀式のようなものがあった。
 水のような液体が入った器があった。
 そこに顔を浸けろと言われて言うとおりにした。
 顔がピリピリして痛い。
 慌てて器から顔を話すと、隣の男が「液体には特殊な成分が入っている」と説明してきた。
 男が薄い紙を液体に浸すと、紙はみるみるうちに溶けていった。
 私はそんなものに顔を浸けられないと嫌がった。
 でもやらなければあの船には乗れないから、と強制された。
 上を見上げると、巨大カプセルのような宇宙船のような、大きな船が浮かんでいた。(ビルの屋根は崩れているので空がのぞいていた。暗い空色だった。)
 
 私はその場から逃げ出した。
 すると周りからガスマスクをつけたような人達が追ってきた。
 崩れたコンクリートの隙間から抜け出そうとしたが、狭くて抜けられるかどうかわからない。
 反対側はどうかと振り向いた。反対側の方がまだ大きな穴だったが、そのせいで逆に見つかりやすそうだった。
 
 やっとの思いで建物から出た。
 しかし外は荒れ地で、ビルの近くに錆びた建物がいくつかあるだけだった。
 それ以外には山も川も何もなく、地平線が見えていた。
 私はこれからどうしようとも考えなかった。助からないのはわかっていた。
 
 (今考えるとSF映画みたいです;;)
 
 
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